クローン氏病とはどんな病気ですか?
原因不明の慢性の炎症性腸疾患。消化管のあらゆる部位が侵され得るが、小腸と大腸が多いとされています。
若い年代の患者が多く、潜在的に発症、進行することが多く、発見時には腸管病変が完成していることも多いとされています。2009年のデータでは、
患者数 3万2千人
有病率 25.2/10万
好発年齢 20-30代
男女比 2:1
症状としては、体重減少、成長障害、腹部症状(腹痛、膨満感、下痢、腹鳴、つまる感じ)や発熱、痔瘻などの症状があります。
内科的治療について
治療法としては、重症度に応じ以下のものが使われています。
- 5―アミノサリチル酸薬(5-ASA)製薬・・・サラゾピリン、ペンタサ
- 副腎皮質ステロイド薬・・・プレドニン
- 免疫調節薬・・・イムラン、ロイケリン
- 抗TNFα受容体拮抗薬・・・レミケード、ヒュームラ
栄養補給に関しては、重症度に応じて、中心静脈栄養や、経口栄養食 エレンタール、ツインラインなどを使用します。エレンタール、ツインラインは栄養状態の改善や腸管の安静のみならず、腸管の炎症も抑えます。
完解期にも、食事療法が完解期維持に有効とされています。
外科的治療について
内科的治療が基本となりますが、
- 腸管狭窄に伴って腸がつまってしまった場合(腸閉塞)
- 腸管穿孔
- 大量出血
- 中毒性巨大結腸症 などが現れた時
基本的には症状の原因となっている腸管だけを手術する小範囲切除が行われます。